取扱事件

医療、交通事故、消費者、債務整理、離婚、
相続・親族、一般企業法務、刑事事件 等の事例紹介です。

探偵被害

 探偵被害には、大別して2つの種類があります。
 一つは、法定の届出をしない非正規の業者が探偵業者を名乗って、詐欺被害の取り戻しを持ちかけるものであり、近年増加している典型的な詐欺商法です。
 もう一つは、法定の届出をした正規業者が問題ある行動を起こし、消費者被害を引き起こすものです。調査業務の懈怠、虚偽の報告、不要な契約の延長、解約金の不返還など従前からの被害です。
 いずれの事例においても、悪質な業者があたかも調査が成功するかの如く勧誘し、杜撰な調査や虚偽の報告を行い、更にはもう少し調査を行えば結果が出るように見せかけて、追加調査をするように仕向けることがあります。探偵業務は、個人的な情報を扱い、極めて秘匿性の高い依頼が多いことから、依頼をした事実を知られたくないという心情から、問題が表面化しずらく泣き寝入りをすることも多いのが実状です。
 重要なことは、調査業務は結果を約束するものではないということです。複数の業者から見積もりや調査方法を聞いた上で、調査による調査結果の見込みや費用を勘案して冷静に判断をすることで被害を予防して下さい。

事件例1

 夫の浮気調査を250万円を支払って依頼したが、相手方を特定するに至らなかった。高額な契約であるとして公序良俗違反、クーリングオフの法定書面の不備につきクーリングオフ、十分な調査をせず追加調査をさせたとして不法行為責任を主張した。訴訟中に、調査が不十分で、事実と異なる調査結果を報告していた事実が明らかとなる。200万円で和解。


事件例2

 調査に着手すらしていなかったのに依頼者の契約解除を無視し、料金の返還を行わなかった。クーリングオフの法定書面の不交付を理由に解除し、返還を求めた。なお、契約書には解除の場合には契約金を返さないとの不返還条項が存在した。訴訟にて9.5割返還にて和解。


事件例3・裁判例 福岡地方裁判所八女支部平成24年5月17日判決(平成22年(ワ)第137号、平成23年(ワ)第89号事件)

 契約2日後に解約を求めた原告に対し、被告業者は着手金全額の返金を拒否する不返金条項(途中解約の際には着手金額を返さないとする内容の契約条項)を楯に、「解約してもお金はお返しできません」と説明して、原告の解約意思を翻意させた事件。この行為が不法行為にあたるとして、着手金の一部の損害賠償金の支払を認めた判決です。不返金条項は契約書の中に記載されていましたが、原告は勿論気付いていませ  ん。消費者契約法9条1項に反し、その限度で無効とする判断がなされました。

 控訴審(福岡高等裁判所平成25年(ネ)663号)においては原審では認められなかった全額の返還を認める和解が成立。

*消費者法ニュース94号357頁            


事件例4・裁判例 福岡地方裁判所久留米支部平成28年2月19日和解(平成28年(ワ)第378号事件) 

 特定の女性と交際できる(恋愛関係を築くことができる)と謳って顧客を勧誘し、次々と追加調査を契約させ、契約代金合計1239万6000円を支払わせたという事件につき、請求原因を認めた上で全額の支払いを認める和解(なお、完済時に弁護士費用免除)が成立した。

 近時多くなった「別れさせ屋」のみならず、特定の女性と付き合えるという恋愛工作を謳った探偵業者の業務ですが、そもそもそんなんことは不可能です。TV等でも取り上げられ話題となりました。

*消費者法ニュース107号322頁 西日本新聞平成28年6月11日夕刊           

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